租税補佐人の修業のため、東京地方裁判所と最高裁判所に行ってきた話。
朝9時に東京地方裁判所に到着。
玄関から中に入ると、手荷物検査のカウンターがあり、手荷物を預けてゲートをくぐります。
飛行機に乗る前の手荷物検査と同じ要領ですね。
ゲートを出ると広いロビーですが、まだ時間が早いせいか、人の姿はまばらでした。
今日行われる裁判の詳細確認できるディスプレイが守衛さんの脇に設置されているので、そこで「開始時間、当事者、事件名など」をチェックします。
租税事件の行政事件を扱うのは、地裁民事2部、3部、38部、51部。
租税事件の刑事事件を扱うのは、地裁刑事8部。
これらの部から検索すると、すぐに見つけることができます。便利ですね。
この日は、ニュースでも話題になった、スパコンの助成金詐取や法人税違反などに問われた社長の裁判の予定が入っていました。
エレベーターで上の階に移動して、5分ほど前に法廷前に到着。
マスコミも注目している裁判だったので、テレビクルーや報道と書かれた腕章をしている人たちが待機していました。
こういう裁判を傍聴できる機会に恵まれるとは、かなりラッキーな気分。
開廷前に、テレビのニュースに流すための静止動画を2分撮影するとのことで、傍聴席に座ったら撮影が始まり、とにかく全員がジーっと息を殺して撮影が終わるのを待ちました。
その時の動画がニュースに使われていました。
コレです。(ANNのホームページより)
私は写っていないけど、一緒に行った方の後頭部が写ってましたwww
今回の傍聴を引率してくださった租税争訟法の教授によると、法廷には「遺影」を持ち込むことはできないそうです。
ドラマなどで、遺影に抱きついて勝訴を喜ぶシーンなどがありますが、ああいうのはただの演出なんですね。
続いて、税務調査を受けた際に、工事原価の付け替えが発覚したということで、当時の工事部長が証人喚問されるという裁判を傍聴しに行きました。
JVの工事などは、結構、あっちの現場とこっちの現場の原価を付け替えることをやって、税務調査で発覚することが多いですね。
悪い会社だと、原価を付け替えるだけでなく、そこに架空の外注費を混在させたりして、一部の人が私腹を肥やしているということもあります。
今回も、工事部長が懲戒処分されているとのことだったので、そうしたケースだったのではと思いながら見てました。
ちょっとドラマと違うな~と思ったのは、被告側の弁護人がかなり棒読みで質問を投げかけていること。かなり淡々・・・。証人もこれではやりにくかったと思います。
まあ、当然と言えば当然なんですが、ドラマのようにいきなり新たな証拠を出してきて法廷がザワつく・・・なんてことはありませんでした。期待しちゃいましたが。
さて、午後は、最高裁判所へ。
南門から見える建物はこんな感じ。重厚で風格のある建物です。
門に入ってからは撮影禁止。
貴重品と筆記具以外はすべてロッカーに入れなければなりません。
そして、地裁と同様、手荷物検査等を受けます。手荷物は貴重品と筆記具しか無いけど。
ちょっとここで驚いたのが、手荷物を入れるケースが、風格のある建物と対照的にボロボロなこと・・・。
オイオイ、かごくらい100円ショップで売ってるんじゃ💦と突っ込みたくなるのを抑えてゲートをくぐり、奥へと進みました。
法廷で問題を起こす人がいるためか、入り口のセキュリティはかなり厳重です。
一緒に行った方が杖をついていましたが、ゲートでブザーが鳴り、「杖が無いと歩けないのか。」など、いろいろ聞かれてボディチェックを受けることになってしまいました。
仕方が無いことですが、気分がいいものではないですね。
そして、建物の中もバリアフリー化されていないことは、ちょっと残念でしたね。
エレベーターはありますが、そこへ行くまで、降りてからと、何段か階段を歩かなければなりませんし、車いすの方は移動がかなり難しいでしょう。
十分な広さがある施設ですから、スロープ設置など、設計にはもう少しこだわって欲しかったなと思います。
それ以外においては、目にするもの全てが私には新鮮で、感嘆の吐息しか出ませんでした。
でも、被告席に立つことが無い人生を送りたいものだとも思いました。
最高裁の法廷写真は無いので、はい、イメージをどうぞ。
絵の下手さに関するコメントは不要です。。。
机の上のびよーんと出たのはマイクです。そうは見えないけど。
ちょっぴり薄暗く、天井はドーム型。
ふかふかの絨毯に座り心地の良い椅子。
色合いは、すべてベージュと茶を基調としています。
傍聴席の椅子には、コンサートホールの椅子のように番号が書かれているのですが、よく見ると、前列から「い、ろ、は・・・」の順になってました。
A、B、Cではないのね。
あまりの居心地の良さに、法廷中に関わらず眠りに誘われそうになりましたが、裁判は約10分で閉廷。
もう少しいたかったなぁと名残惜しく法廷を後にしました。
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