令和3年4月21日に「民法の一部を改正する法律」が可決され、相続登記が義務化されることになりました。
この義務化は、令和3年12月14日閣議決定により、令和6年4月1日に施行されることが決まっています。
【義務化の概要】
施行日は令和6年4月1日ですが、施行日前に相続の開始があった場合についても適用されます。
「施行日」または「相続の開始があったことを知り、かつ、不動産の所有権を取得したことを知った日」のいずれか遅い日から3年以内に相続登記をしなければなりません。
相続登記を怠ると、10万円以下の過料が課される可能性があります。
【義務化の問題点】
お金の問題・・・
現在は、相続登記に係る登録免許税の免除措置があるのでタダですが、免除措置が無ければ、不動産評価額×0.4%の登録免許税がかかります。
それとは別に司法書士に登記を依頼すると、当然ですが、司法書士報酬がかかります。
義務と言われても、お金が無いからムリ・・・という人が出てくるかもしれません。
遺産分割協議が難航したときの問題
相続財産の分割協議が成立していないときの相続税は、各相続人などが民法に規定する相続分又は包括遺贈の割合に従って財産を取得したものとして申告・納税すれば良いこととなっています。
でも、相続登記はそういうわけにはいきません。
一旦、法定相続分で共有名義の登記をし、遺産分割協議が成立後、単独所有に登記し直すことは可能ですが、登記の手間と費用の点から現実的ではないと思います。
だからといって、相続登記をしないでいると、この改正では過料が課せられる可能性があるわけでして、相続が争族になっちゃってるケースではどうなるんでしょうね。
過料が課せられてしまうのでしょうか。
このような時は、新しくできた「相続人申告登記」という制度を使ってみるのはいかがでしょうか。
「相続人申告登記」は、不動産の相続人が、自分が相続人である旨を法務局に申し出て、登記官に職権で登記してもらうことができる制度です。
これは正式な相続登記ではありませんが、遺産分割協議が難航するようなら、成立するまでの臨時的な措置として活用するのが良いのではないかと思います。
現行ではまだ相続登記は義務ではありませんが、ずっと放置しておくと、相続を繰り返すうちに相続人が誰であるか分からなくなった、とか、相続人の人数が増えて手続がとても煩雑になったということが起きます。
どうして良いか分からない時は、税理士や司法書士にご相談ください。
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